宇治のまちを舞う虫の正体はトビケラ
みなさん、こんにちは。管理人のイロハです。
宇治の良い情報、イチオシ情報を発信しているこのブログですが、たまには宇治の良くない部分もお知らせしないといけません。
宇治観光に来られた方がビックリされるのは虫です。宇治の観光エリアには虫が大量発生しています。
その虫の正体はいったいなんなのでしょう。
宇治川周辺に多い
たまに目の前に大群が現れたり。特に川沿いでは思わず息を止めてしまうくらいたくさん虫が飛んでいることがあります。
写真の通り、宇治橋の欄干には虫がたくさんとまっています。
飛んでいる虫は、うまく写真には納められませんでした。
虫の正体はトビケラ
正体はトビケラという虫です。
トビケラとはトビケラ目という種類に属する蛾のような見た目の水生の虫です。
きれいな川に多く生息することから、トビケラが生きている川はきれいな水であるという水質判定に使われたりするそうです。
厄介な虫ではありますが、川がきれいである証拠というのは、良い話ですね。
冬以外のほとんどの時期にトビケラは飛んでいます。ただ時期によって数に変動はあります。実際に計ったわけではないですが、地元民である私イロハの感覚からすると4~6月あたりが最も多いような気がします。
人に害はあるの?(これ重要!)
結論からいうと害はありません!
ハチや蚊のように刺したり、触れるとかぶれたりするものではありません。
宇治に来られる方はたくさんの虫を見かけても、決して動じずに観光を楽しんでいただきたいと思います。
行政の見解
宇治市のホームページを見るとトビケラ対策に真摯に取り組んでいるようですが、抜本的解決は難しいというスタンスのようですね。
お手上げというか、生態系の一部としてある程度はトビケラと共存していくしかないようです。
でも最新の報告書を読むと、薬剤による駆除を行っていることや、蛍光灯の光に比べてLEDに集まりにくいとか・・・。いろいろ面白い研究結果も書かれています。ぜひ興味のある方はリンク先の資料を読んでください。
https://www.city.uji.kyoto.jp/cmsfiles/contents/0000012/12796/uji-tobikerahoukoku.pdf
私イロハもこれを読んでかなり勉強させていただきました。
平等院表参道で見かけたステッカー
平等院表参道の商店街で面白いステッカーを見つけました。こちらです。
商店街としても、しっかりトビケラに関して正しく理解してもらえるようPR活動に力を入れられてるみたいですね。このステッカーを貼ることできっと観光客の方に安心感を持ってもらえていると思います。
なんかデザインが好き
話は逸れますが、このステッカーはデザインが良いですね。平等院前の町並に溶け込みつつ、シンプルで伝わりやすいデザイン。
なんかとってもイロハ好みです(笑)。
まちの景観に寄り添うさりげない色合い。そして小ぶりサイズ。そして不思議なインターナショナル感。
「地味」という一言では片付けられない深みを感じます。
5年ほど前に貼られたものなので、全体的に古くなっていますが、デザインの良さは注目に値しますね!
まとめ
いかがだったでしょうか。
何よりもトビケラは人に害はないということで、安心していただけたのではないでしょうか。
宇治川という自然が作る景観も宇治のまちの特徴の一つです。やはりある程度受け入れつつ、そして自然の恵みに感謝しつつ、宇治のまち歩きを楽しみたいものですね。
平等院表参道商店街に貼ってあるステッカーもさらに認知度が上がり、名物のようなものになっていけば良いなと思います。
参考文献
- 宇治市トビケラ対策検討関係者会議「宇治川に発生するトビケラに関する報告書宇治市」(2014年)
- 小林ら「宇治川における過去半世紀の水文水質特性とトビケラ現存量の変遷 : トビケラ大発生に関わる環境要因の探究」(2014年)
- 小林ら「琵琶湖の流出河川, 瀬田-宇治川のトビケラ群集」(2017年)